からだ美人

中真生活の勧め その10 ~食事編(ビタミンC)~

  • 2015.7. 6

最近、生命科学の進歩により体内でのビタミンCの働きについて新しいことが次々とわかってきています。健康づくりに欠かせないビタミンCを効果的に補給する方法をみていきましょう。

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不足すると病気や老化のもとに
 ビタミンCはかんきつ類に含まれていること、壊血病を予防する成分であることが90年以上前に発見されました。しかし、体内におけるビタミンCの機能や、どれぐらい摂取することが必要かなどはその後、長い間わからないことが多かったのです。その理由は「ヒトはビタミンCを体内で合成できず、食事から摂取しなければならないものであり、ヒト以外で同じような条件を持つ動物はサルの仲間などごくわずかで、動物実験が難しかったため」と言われています。

美肌と免疫力UPの強い味方
 ビタミンCは体内で血管、皮膚、骨などを作るのに欠かせないコラーゲンの合成に必要なほか、体内に生じた"サビ"とも表現される活性酸素の除去にも重要な役割を果たしており、肌の張りを保ち、シミやこじわを防ぐという働きがあります。
 そして、最近の研究では、ビタミンCは風邪、インフルエンザ、ウイルス性肝疾患、癌、自己免疫疾患その他、あらゆるウイルス性疾患などに効果を発揮するとして改めて注目を浴びています。そのため、日頃からビタミンCを多めに摂っておくことで免疫力が高まり、病気の予防や回復に効果的と言われています。また不足すると肌の老化が進んだり、生活習慣病を悪化させたりするなど、様々な加齢変化を促進することもわかってきました。

風邪の予防と治療にも効果大
 ウイルスに対抗するために必要な物質でインターフェロンという糖たんぱくがあります。ウイルスが体内の細胞に侵入してくると、その細胞で作られたインターフェロンが細胞の外に分泌され、これが周囲の細胞に警戒信号となって身体がウイルスの増殖を抑える物質を作りはじめるのです。このインターフェロンが体内で作られるためにはたんぱく質とビタミンCが必要となります。インターフェロンは温度が高いほうが作りやすいので、鼻粘膜などから冷たい空気が入るとインターフェロンを生産するスピードが落ちてしまいます。風邪をひいてしまったら暖かくしておくこと、特に脳に通じる太い血管が通る背中から首を温めることが有効です。

ビタミンCの欠乏は抑うつ症状になりやすい
 ビタミンCと心の関係に関する研究結果もあります。ビタミンCは私達が興奮したときに分泌される神経伝達物質であるアドレナリンの合成にも欠かせないことや、ビタミンCが欠乏すると、抑うつ症状などがみられることが明らかになってきました。「ちょっと最近よく落ち込むなー」と思ったら、ビタミンCを補給することで改善することもありますので、ぜひ試してみるとよいでしょう。

肺の疾患にも効果が
 喫煙者などに多くみられる慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気は肺の内部で酸素を取り込む肺胞の細胞が加齢とともに少しずつ破壊されていく病気です。喫煙により、肺気腫などを起こしやすいのですが、ビタミンCを十分与えると予防できたとの報告もあります。また、肺気腫は喫煙をやめても治らなかったが、ビタミンCを十分に与えた場合には改善したそうです。慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気の人は血液中のビタミンC濃度が低い傾向にあるため、ビタミンCを積極的に摂ることで、病気の進行を食い止めたり症状を改善したりできるのではないかと期待されています(禁煙することは大前提のことですが...)。

新しい医学ではビタミンCの点滴療法も
 ビタミンCの大量投与という方法もありそうですが、経口摂取の場合はビタミンCを多く摂れば摂るほど吸収率が下がり、1グラムのビタミンCを経口摂取しても吸収されるのは半分の500ミリグラム程度と言われています。
 一般的にはビタミンCの服用量は上限が1日2グラムまで、薬剤師の処方で上限が1日6グラムまでという制約があるようですので、大量摂取を人に勧めるのは問題になる場合があり、一般的ではありません。
 そこで最近、アメリカなどではビタミンC点滴療法として1回のビタミンC量は25グラム~100グラム以上直接血管の中に入れるということもされています。これは、ビタミンCが水溶性であること、食事で摂り入れても多くのビタミンCが血管内部には入りにくいことなどから、胃腸を経由せずにダイレクトに血中に入れる方法で、サプリメントで経口摂取するよりも効率が良く全てを血中に入れようとするものです(細胞膜は脂でできているので通り抜けられない)。
 効果が大きいだけになんとか細胞の中に摂り入れようとする試みがされていると言えます。

毎日、毎食で欠かさず摂る努力を!
 ビタミンCが不足しない食生活とはどのようなものなのでしょうか。「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省、2010年版)では成人の推奨量を1日100ミリグラムとされていますが、この基準は全くストレスのない一般的な人での生活習慣病を発症しない最低レベルと言えるものだと思います。
 ビタミンCの吸収率は人によって、また食べ方によって違いますし、1回の食事で多く摂っても余った分は排泄されてしまいます。従って、ビタミンCの成果を積極的に利用するためには、より十分な量が必要ですので、よほど毎回の食事で意識して食べるように工夫していく必要があります。
 実際、喫煙者は推奨量以上の摂取が必要なことがわかっていますし(禁煙は言うまでもないことですが)、精神的ストレスがある人、激しい運動をする人、高齢者などビタミンCの吸収が低下している人なども、たくさんのビタミンCが必要だと言えます。
 ビタミンCは一度にたくさん摂ると吸収率が低下するため、1回あたり100~300ミリグラムを1日3回摂ることを提案しています。そのためには1日3回の栄養バランスのよい食事を摂ることです。
 ビタミンCは穀類や魚類などにはあまり含まれていないのですが、ジャガイモなどの芋類、根菜類、豚肉などには比較的多く含まれます。例えばさつまいもやジャガイモの場合、ビタミンCがでんぷんに守られ加熱しても壊れにくいなど、意外なビタミンC補給源と言えます。

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