からだ美人

中真生活の勧め その6 ~食事編(ビタミン)~

  • 2015.1.13

 人体は60兆個もの細胞から構成されていると言われていますが、その細胞は水と無機質以外は、さまざまな有機化合物からできています。食物として摂取された栄養素が消化により一旦分解された後、吸収され、細胞の中でそれぞれ特有の必要な化合物として合成されます。
 その中でビタミンは人体の生存・生育に必要な栄養素のうち、タンパク質、炭水化物、脂質以外の有機化合物の総称で、栄養素のうち無機質はミネラルと言います。また、ビタミンは体内で自ら作ることができない微量有機栄養素ですが、正常な生理機能を営むためには必要不可欠で、体外から取り入れなければならないものは13種類が知られています。
 植物、微生物は人間に必要なビタミンを作る能力を持っており、ビタミンは食物として摂取される以外に、腸内細菌によって作られてその必要量の一部として供給されるビタミンもありますが、ビタミンDは人の皮膚に太陽光(紫外線)が当たることで直接合成されます。
 日本では厚生労働省によってビタミンの所要量を定めていますが、基準が変わることもあり、健康を維持するために必要な量と、病気になったときの必要量などは研究者によって意見が違います。
 最近、インスタント食品、外食、偏食、極端なダイエットなどアンバランスな食事により、特に高齢者や若者にビタミンの潜在欠乏症が大きな問題になっており、また、多くは遺伝的疾患としてのビタミン依存症も明らかになりつつあります。さらに、これまで知られていなかったビタミンの新しい機能も見つかってきています。
 ビタミンの多くは、生体内において酵素がその活性を発揮するために必要な補酵素として機能しますのでビタミン欠乏症に陥ると、ビタミン類を補酵素として利用する酵素が関与する代謝系の機能不全症状が現れてきます。
 例えば、「なんとなく元気がない」「肌荒れがひどい」「身体がだるい」などの不調を訴える人はビタミン不足による『潜在性ビタミン欠乏症』の可能性があり、ビタミンの体内貯蔵量が減ると明らかな病気にまで至らなくても身体が常にイエローサインを出すようになります。
 私達の一日に必要なビタミンの量は、ミリグラム単位と少ないようですが、摂取しないと重篤な疾患になることもありますので、毎日の食事からまんべんなく摂ることが必要です。また、果物や野菜など自然のものから摂取するビタミンと合成のビタミンでは全く違う作用をすることも次第に明らかになっています。特定のビタミンのみを安易にサプリメントによって補うのでなく、食事を見直して自然からの贈り物としてビタミンを摂取したいものです。


水溶性と脂溶性の特徴

 ビタミンは水溶性と脂溶性に分類されますが水溶性とは文字通り、水に溶けて運ばれますので多少多めに摂取しても、尿として排泄されます。
 水溶性ビタミンには、ビタミンB群と呼ばれているビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸などとビタミンCがあります。
 ビタミンCは水溶性といえども、多く取り過ぎると、下痢や腹痛が起きることもあり、腎機能に疾患のある方はサプリメントによる過剰摂取には気をつけることが必要です。
 一方、脂溶性ビタミンとは脂質に溶けて運搬されます。摂り過ぎても尿として排泄することはできませんので、サプリメントなどで摂る場合はその摂り過ぎにも注意が必要となります。
 脂溶性ビタミンには、ビタミンA、D、E、Kがあります。これらのビタミンの名前は、発見された順番あるいは生理作用を表す意味でつけられています。

水溶性ビタミン

●ビタミンB群
・ビタミンB1:チアミン
・ビタミンB2:リボフラビン、ビタミンGともいう
・ビタミンB3:ナイアシン、ビタミンPPともいう
・ビタミンB5:パントテン酸
・ビタミンB6:ピリドキサール、ピリドキサミン、ピリドキシン
・ビタミンB7:ビオチン、ビタミンBw、ビタミンHともいう
・ビタミンB9:葉酸、ビタミンBc、ビタミンMともいう
・ビタミンB12:シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン

●ビタミンC:アスコルビン酸

脂溶性ビタミン

・ビタミンA:レチノールなど
・ビタミンD:エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール
・ビタミンE:トコフェロール、トコトリエノール
・ビタミンK:フィロキノン、メナキノンの2つのナフトキノン誘導体


ビタミン発見の歴史

 ビタミンが発見されるまで、人類は長年、不可解な症状に悩まされていました。例えば、15世紀中頃から大航海時代には多くの乗組員が壊血病で死んでいきました。そして18世紀中頃に、イギリスのリンドという海軍の船医が兵士を実験に使い、オレンジやレモンなどの柑橘系の果物が壊血病を防ぐということを突き止めたのです。
 さらに19世紀にはオランダの医学者が米ヌカの中に脚気を治す有効成分を発見。ポーランドのフンクがそれらの成分にアミンが含まれていたことから『生命のアミン』という意味で『ビタミン』と名付けたのです。


五大ビタミン欠乏症とは

☆脚気:ビタミンB1不足で起きる
 脱穀でビタミンB1が失われた白米を常用している地方に多く、副食でビタミンB1を補うことができなかった時代に多かった。腱反射の喪失、心臓肥大などをもたらす。
☆ペラグラ:ナイアシン(ビタミンB3)の不足で起きる
 皮膚の炎症、中枢神経の異常が起き、痴呆も現れる。
☆壊血病:ビタミンC不足で起きる
 大航海時代に原因がわからずに恐れられていた。歯茎や皮膚からの出血や貧血、体重減少、免疫力の低下などが起きる。
☆クル病:ビタミンD不足で起きる
 成人の場合は骨軟化症と呼ぶ。かつては日照の少ない地方で多発した。カルシウムが骨に沈着しないため、骨が盛り上がって肋骨にこぶができたり、足の骨が曲がったりする。また低身長などが起きる。
☆悪性貧血:ビタミンB12不足で起きる
 昔は原因不明で死に至ることがあったため、『悪性貧血』と名付けられた。黄疸などの症状が見られ、血液中に大きな赤血球が出現する進行性の貧血である。

ARCHIVES