からだ美人

中真生活の勧め その5 ~食事編(脂質)~

  • 2015.1. 6

 身体に必要な脂質は、食品の中に存在して食べ物をおいしくしたり、食べやすくしたりする働きもあり、エネルギー源として、また細胞膜の材料となったり、ホルモンやビタミンの材料となります。
 脂質全体の働きをまとめますと、次のようになります。

●脂質の働き

・細胞膜の主要な構成成分である。

・エネルギー源(炭水化物の2倍以上) となる。

・脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・ E・K)やカロテノイド(緑黄野菜に含まれ抗酸化作用を持つ)の吸収を高める。

・脂質の一種であるコレステロールは細 胞膜の構成成分であり、ホルモンやビタミンDの前駆物質となる。

 このように脂質は、脂質全体の量のみではなく、脂質を構成する脂肪酸の種類によって全く違う働きをするため、その特徴をよく知り、上手に組み合わせて、必要な種類を摂取するようにします。


炭素のつながり方で違う脂肪酸の特徴

 脂質は脂肪酸とグリセリンから構成されています。脂肪酸は炭素原子が鎖のようにつながったものが土台になっており、この脂肪酸の種類によって脂質はその性質が左右されます。脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類がありその性質が異なります。
 また体内で合成できないために食物から摂取する必要がある脂肪酸のことを必須脂肪酸と総称しています。
 飽和脂肪酸を持つ脂質は常温では固体で、炭素の二重結合がなく、水素がぎっしりとくっついている状態です。この飽和脂肪酸を豊富に含んだ食品には牛・豚・羊などの脂身、バター・チーズなどの乳製品があり主に動物性のものとなります。身体のエネルギー源や細胞膜の材料になりますが、その摂り過ぎは中性脂肪やコレステロールを増やし過ぎ、カロリーオーバーになるだけでなく、血液がドロドロになると言われています。
 飽和脂肪酸は必須脂肪酸ではないので、食べなくても良いのですが、その味がおいしいこと、また、熱を加えても酸化しにくいことから揚げ物に向いています。しかし、現代人にとってはその摂り過ぎが問題になっているのです。
 植物性油脂のほとんどは不飽和脂肪酸を持っており、常温では液体で、炭素の二重結合が1つしかないものを一価不飽和脂肪酸、二重結合が2個以上のものを多価不飽和脂肪酸と言い、さらに3個目の炭素に二重結合があるものをオメガ3、6個目の炭素にあるものをオメガ6といい、その働きは全く違うものとなっています。


不飽和脂肪酸の中でも大きな違いが

①一価不飽和脂肪酸‐オレイン酸
 (マカデミアナッツオイル、オリーブオイル)
 エネルギー源としての役割のほか、最近、炭水化物や飽和脂肪酸の代わりに摂取すると心疾患のリスクを下げるという研究もされていますが、必須脂肪酸ではないので、あまり積極的に摂る必要はありません。しかし、熱に強いので料理や揚げ物に使うときには、低温圧搾法の良質なオイルの使用をお勧めします。いずれにしてもその摂り過ぎはカロリーオーバーになります。

②多価脂肪酸オメガ3‐αリノレン酸
 (フラックスオイル、エゴマオイル、青魚などの魚油)

 多価不飽和脂肪酸オメガ3は必須脂肪酸であり、特に注目されているのは心疾患の予防になり、また、リノール酸とのバランスが大事で、日本ではリノール酸の摂り過ぎが問題になっており、積極的に摂ることが求められています。

③多価脂肪酸オメガ6‐リノール酸
 (大豆油、コーン油、ベニ花油)
 多価不飽和脂肪酸オメガ6は本来必須脂肪酸ですが、お米や野菜に含まれており、普通の食事で不足することはまずありません。それより、近年、健康に良い植物油としてリノール酸の摂取が高まり、その摂り過ぎが問題となっており、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高めることが報告されています。また、アトピー性皮膚炎や炎症を促進させることも明らかになっています。摂取量を減らすようにします。


絶対に摂らないほうがいいトランス型脂肪酸

 不飽和脂肪酸はシス型とトランス型に分けられ、トランス型脂肪酸は天然の食品にもほんの少し含まれていることもありますが、そのほとんどは常温で液体の植物油から人工的に半固体の油脂を作る過程で「水素添加」するときにトランス型脂肪酸を作り出します。
 水素添加されて製造されたマーガリン、ショートニング、ファットスプレットや、それらを使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにこのトランス型脂肪酸が多く含まれています。
 ショートニングでは、最近、水素を添加する代わりにトランス型脂肪酸が生じない「エステル交換」という方法での製造をしている会社もありますが、まだまだ主流ではありません。表示に『トランスフリー』があるのかを確かめて購入したいところですが、パンを購入するときに「ショートニングを使っていますか? そのショートニングはトランスフリーですか?」とはなかなか聞きづらく、作っている人も知らない人が多いのが現状です。
 また、サラダ油やてんぷら油などの植物油は昔は圧搾法で絞って作られていましたが、現在は高温処理による脱臭の過程でトランス型脂肪酸が作られてしまいます。
 高温で揚げ物を繰り返す揚げ油も酸化する問題とともに、トランス型脂肪酸が作られることになります。とくに外食産業のフライドポテトやドーナツやから揚げなどで使用されている揚げ油は長く使われて、酸化したりトランス型脂肪酸が多く含まれている可能性が高くなっています。トランス型脂肪酸は、絶対に摂らないようにするべきと言えます。


トランス型の食品添加を米国で規制へ

 このトランス型脂肪酸は冠動脈性心疾患を始め、糖尿病、突然死のリスクを高めること、内臓脂肪の蓄積、脂質異常、高血圧、高血糖の原因になることが国際連合食料農業機関と世界保健機構で発表されています。また、2009年には血管に炎症を起こす、血管の内壁の機能に異常をきたすなどの研究のまとめが出されるまでになっています。
 一部の国では使用量を制限しており、2014年11月には米食品医薬品局(FDA)が使用を段階的に制限すると発表し、デンマークやスイスなどは油脂100グラムに含まれるトランス型脂肪酸を2グラム未満にする制限を実施しています。米国などでは含有量の表示を義務付けており、すでに子供の給食からトランス型脂肪酸を排除している国もあります。


どんなオイルが健康に必要か

 ではどのようなオイルを選べばよいのでしょうか?

①オメガ3のオイルを毎日摂ること
(鮮魚に含まれるEPA・DHAやフラックスオイルを大さじ1杯)
②トランス型脂肪酸を含まないオイルであること
③精製されていないオイルであること
(天然のビタミンA・Eが含まれる)
④酸化していないオイルであること
⑤動物性の油は極力少なめに

 ということが基本です。

 具体的には、動物性のバターや肉の油は少なめに食べること。自宅でてんぷらや揚げ物をする場合、低温圧搾で作られたマカデミアナッツオイルやオリーブオイルなどを使用し、何度も使いまわししないようにします。
 使用している油の出所を知らない外食の場合、本来は食べないほうが良いものですが、揚げ物は回数も1回の食べる量も極力少なめにすることです。特に、フライドポテトやドーナツ、鶏のから揚げなどはお勧めできません。
 積極的に摂ったほうが良いものは、天然の青魚の刺身から摂ることのできるオメガ3です。毎日刺身と言うわけにはいかない日は、植物性オメガ3のフラックスオイルは必ず大さじ1杯飲むようにすることです。

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